今日、データはあらゆる産業で率先して活用されています。本編(データの背後にあるもの)では、急速に進化する産業に変化をもたらしているデータについて掘り下げていきます。

今や世界中の消費者が地元のスーパーマーケットに殺到しています。洗剤や缶詰製品から予想を超える量のトイレットペーパーまで、世界各地のスーパーマーケットはかつてない消費者の行動パターンに必死に対応している状況です。英国の哲学者バートランド・ラッセルはかつてこう言っています。「人は誰しも確実なものに憧れている。」

消費者はトイレットペーパーがなくなることを恐れて在庫を買い占めていますが、スーパーマーケットや日用消費財メーカーは不景気に強く 、ビジネスの継続性を維持する上で優れた評価を得ています。しかしかつての近代史には見られなかったCOVID-19のような危機的状況においては、スーパーマーケットは過去の市場トレンドに依存するべきではありません。

「COVID-19パンデミックの真っただ中では、推進力を維持することと意思決定の方法が重要になります」とSisenseのマーケットインテリジェンス/ストラテジー担当責任者のEvan Castle(エヴァン・キャッスル)は述べています。「新たな規制、需要の変動、そしてリモートワークまで、ビジネスリーダーは経済の新たな現状に向かい合う必要があり、3つの大きな課題に対して明確に対処することが大切です。1つ目が急速に変わりゆく状況の追跡、2つ目が需要と供給の両方の変動への対応、そして3つ目が業績の全容を継続して把握することです。」

貴社のデータチームとアナリティクス(分析)プラットフォームは、不確実性が増している時代を先導する上で非常に大切な役割を果たします。以下に、小売り産業における危機管理を通じてデータとアナリティクス(分析)の最新ニーズを明らかにしていきます。

State of BI & Analytics 2020

小売業でデータアナリティクス(分析)への投資を拡大

2020年4月、Sisenseは米国における多種多様な産業や役職にわたり、500名のデータプロフェッショナルとビジネスエグゼクティブを対象に、COVID-19によってBIやアナリティクス(分析)のプロたちの将来の見通しと日常業務がどのように変わったかを把握するための調査を実施しました。

小売業、政府系機関、そしてメディアはアナリティクス(分析)技術の導入が遅れていると言われていますが、データアナリティクス(分析)ソリューションへの拡大投資計画に最も積極的でした。

急速に変化する状況を追跡

Constantinos Mavrommatis(コンスタンティノス・マブロマティス)氏はRetailZoom社のチーフデータサイエンティストです。同社はキプロスのスーパーマーケットにコンサルティングサービスを提供しており、データを活用することで将来の業績パターンを明らかにし、予測するための支援を行っています。危機が拡大するにつれて、彼と彼のチームはリテール産業の反応を細かに観察しています。急速に変化する環境では、パンデミックが拡大している中でビジネスを管理するための状況把握が重要となります。

「クライアントのダッシュボードの利用方法が変わってきているため、私たちはリアルタイムで観察しています」とConstantinos(コンスタンティノス)氏は述べています。 RetailZoom社のクライアントは、日次および週次ベースで変則的な振舞いを検出するダッシュボードを導入していますが、2月まではあまり使用されていませんでした。通常の状態から逸脱し始めた場合、例外を検知するダッシュボードはタイムリーに対応する上で非常に重要であり、このような状況こそ事業継続計画にアナリティクス(分析)を取り入れるべきです。

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需要と供給の変動への対応

キプロセスのスーパーマーケット部門では、Constantinos(コンスタンティノス)氏と彼のチームが世界中の小売市場に反映されている需要と供給の著しい変化を追跡しています。

Constantinos(コンスタンティノス)氏は次のように説明しています。「現在、そして今後も続くと思われる最も大きな変化は、卸売業からスーパーマーケット部門に需要がシフトしていることです。スーパーマーケット業者や日用消費財メーカーが顧客に対する十分な供給能力を維持するには、自社が保有するデータをインテリジェントに活用することが必須となります。」

日用消費財メーカーは、一般的に卸売業者とスーパーマーケット業者の両方から需要があり、卸売業者は多くの従業員を抱えるオフィス向けの清掃用品、コーヒー、コピー用紙などの大口注文をさばくために大量に仕入れます。一方で、スーパーマーケットへの供給量は安定しており、消費者の購買行動が少しずつ変化していく傾向にあります。しかし今は違いします。パンデミックを食い止めるために世界中のオフィスが閉鎖しているため、日用品を製造するメーカーは卸売業者からの注文が激減し、その分地元のスーパーマーケットで買い物をする個人消費者による需要が増加しています。

業績の全容を継続して把握

卸売業者から小売りへの需要シフトにおいて、小売業者は最も急速な変化を確実なデータとアナリティクス(分析)によって追跡するべきですが、業績と継続性の全容を常に把握するにはその他の変化にも留意する必要があります。

  1. 1. 外食から内食へのシフト:健康に影響を及ぼす大きな危機に直面している中で、消費者は安全のため自宅で食べる食品の購入を増やしています。しかしこれも景気の悪化に伴う長期的なトレンドの1つに数えることができます。失業率の上昇に伴い、スーパーマーケットでは自宅で食べる生鮮食品の需要も増加しますが、アフターコロナでもこの需要増の傾向は続くとみるべきです。
  2. 品不足:危機的状況下では消費者のロイヤリティが不安定になります。消費者の行きつけのスーパーマーケットに欲しい商品がなく、近所に常に在庫がある別の店があれば、「ワンストップショッピング」を求めてそちらに鞍替えすることもあり得ます。地元のスーパーマーケットにとって今やこれまで以上に市場シェアを維持することが非常に重要になってきます。
  3. 初期の過剰消費:危機の初期段階では、特定の商品の大量あるいはわずかながらの買い占めが発生しがちです。食料品の場合、ストックするだけでなく、自宅に食料がたくさんあればついつい短期間のうちに食べ尽くしてしまうかもしれません。スーパーマーケットや日用消費財メーカーは供給を考える際に、こうした需要の増加は一時的に過ぎないことを想定するべきです。

新たな課題を克服するためにデータを活用

BI/アナリティクス(分析)の現状レポートによると、効率性の改善、顧客サポート、そして変化と業績の予測の3つがCOVID-19の課題の中で最も増えているユースケースとなっています。大企業においては、経費削減とコストカットに関するデータのユースケースが多く見られ、中堅/中小企業では、効率性の改善、変化と業績の予測、そして顧客サポートの面でデータを活用し始めていると報告しています。

New data use cases by company size

スーパーマーケットや日用消費財メーカーは、将来の経済動向の予測において他の産業よりも進んでいると言えます。 最新のデータ戦略、明確なKPI、そして最適化されたダッシュボードにより、他の産業よりもスムーズに市場におけるシフトを把握することができます。さらに成功を収めている小売業者では、予測不能な数ヵ月先の状況に対しても KPIダッシュボードで万全を期しています。

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Emily Arent(エミリー・アーレント)は過去に紀行作家として活動した後、コペンハーゲン、続いてデンバーに住み、現在テルアビブに居を構えています。ここ8年間では、エージェンシーやスタートアップ企業でコンテンツプログラムに携わってきました。

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